トップ «前の日記(2010-03-01 [Monday]) 最新 次の日記(2010-07-01 [Thursday])» 編集

Catra's Diary

2005|01|02|03|05|06|07|10|
2006|05|07|09|10|11|
2007|06|07|08|
2008|01|02|07|09|11|12|
2009|06|
2010|03|07|
2011|01|
2013|05|

2010-03-02 [Tuesday]

_ キーボードショートカット(特殊キーを含んだ場合)

昨日に引き続き、特殊キーを含んだ場合のキーボードショートカットについて。

コンソールアプリケーションと GUI アプリケーションで使用可能なキーを分けるのは、 ncurses (termcap または terminfo) で対応しているキーの組み合わせかどうか、という点。 この対応表には Shift キーによる修飾があるかどうかの情報も含まれているため、 コンソールアプリケーションで特殊キー単体押下と、Shift キーなどの修飾キー + 特殊キー押下が区別できるか、 という境目も ncurses に依存する。

端末エミュレータと ncurses (termcap または terminfo) の呼び方、TERM 環境変数の値などで 動作は異なるが、ここでは GNOME 端末、ncurses-5.7、 TERM=gnome という環境で動作させている。

コンソールアプリケーションで扱える特殊キーを分類すると、以下のようになる。

  • 制御コードを出力するキー (修飾なし、Shiftキー修飾、Ctrlキー修飾、Altキー修飾)
    • TAB (0x09, BTAB, 0x09, ウインドウ切り替えのため横取り(Alt + Tab))
    • Return (0x0d, 0x0d, 0x0d, 0x1b + 0x0d)
    • ESC (0x1b, 0x1b, 0x1b, ウインドウ切り替えのため横取り(Alt + ESC))
    • Space (0x20, 0x20, InputMethod呼び出しで横取り, GNOME端末のメニュー表示で横取り)
  • 特殊キーとして認識するキー(ncurses.h で KEY_〜 の形で宣言されている場合はその名前、 それ以外は識別するための定数)
    • キー修飾かどうかが識別できるキー (修飾なし、Shiftキー修飾、Ctrlキー修飾、Altキー修飾)
      • カーソルキー右 (RIGHT, SRIGHT, 0x022b, 0x0229)
      • カーソルキー左 (LEFT, SLEFT, 0x021c, 0x021a)
      • カーソルキー上 (UP, SR, 0x0231, 0x022f)
      • カーソルキー下 (DOWN, SF, 0x0208, 0x0206)
      • Deleteキー (DC, SDC, 0x0202, 0x0200)
      • ファンクションキー(F1〜F12)
    • Ctrlキー、Altキー修飾が識別できるキー (修飾なし、Ctrlキー、Altキー修飾。Shiftキー修飾ではキーイベント自体を検出できない)
      • Page Upキー (PPAGE, 0x0226, 0x0224)
      • Page Downキー (NPAGE, 0x221, 0x021f)
    • Altキーのみ修飾が識別できるキー (修飾なし、Altキー修飾。Shiftキー、Ctrlキー修飾ではキーイベント自体を検出できない)
      • Insertキー (IC, 0x0215)
    • キー修飾が識別できない組み合わせがある場合
      • Homeキー (Shiftキー修飾でキーイベント自体を検出できない他は、すべて KEY_HOME を検出)
      • Endキー (Shiftキー修飾でキーイベント自体を検出できない他は、すべて KEY_END を検出)
      • BackSpaceキー (Alt+キーで ESC + BACKSPACE を表示する以外は、すべて KEY_BACKSPACE を検出)

コンソールアプリケーションで認識できない(端末エミュレータでブロックされるなどで通知されない)特殊キーは以下。

  • Window Manager などが横取りする特殊キー
    • F1キー (ヘルプ表示)
    • 半角/全角キー (InputMethod 呼び出しに使用)
    • PrintScreenキー (画面のスクリーンショット取得)
    • コンテキストメニューキー (コンテキストメニュー表示)
  • 一部の Shiftキーによる修飾(上記参照)
  • 一部の Ctrlキーによる修飾(上記参照)
  • Altキーによる修飾 (一部不可。しかし Gnome端末では ESC + 押下したキーという形で無理やり送信している場合もある)
  • Windowsキー
  • ScrollLockキー
  • Pauseキー
  • 変換キー
  • 無変換キー
  • カタカナひらがなキー
  • テンキーからの入力(キーボードからの入力と区別できない)

_ そもそもなぜこんなことを考えたか

というと、以下の理由。

  • xmonad のショートカットについて考えてみたときに、アプリと Window Manager で使い分けるキーの線引きを どこですればいいか迷った。
  • Emacs のキーバインドで C-; および C-: に機能を割り当てて、端末エミュレータ越しの利用ができないということがあった。

トップ «前の日記(2010-03-01 [Monday]) 最新 次の日記(2010-07-01 [Thursday])» 編集